2014年7月18日金曜日


近所のおじいちゃん。毎日、長い時間海を見ている。

戦争で、私の大叔父と共に、海軍の船に乗り、大叔父は船と共に海に沈み、このおじいちゃんは助かった。

もう九十歳はゆうに過ぎているが、とても元気で、海に入ってひじきを採ったり、田んぼを作ったりしていたが、最近は物忘れが多くなり、家族から漁業や農業を反対され、今は近所を散歩しながら、朝も昼も、飽きもせず、海を眺めている。

海の町に生まれ、海で友を失い、海の側で老いていく。

今、このおじいちゃんの目に映っている『海』とはなんだろう?と、おじいちゃんを見ながら考える。

(iPhoneで撮影)

©Yuko Matsushita(松下ゆう子)

 
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